NASAが撮影した
太陽の巨大プロミネンスの動画をどうぞ。
こういう画像を見たときすぐ「波長いくらの電磁波で見た画像に色付けしたものかな」と突っ込む。中には元データから画像までの処理に手が入りすぎていて「それ、ほとんどコンピューターグラフィックスじゃないか」というものもあるから。解説を見ると、304オングストロームの波長で観測と書いてある。これは真空紫外(この波長帯に対して大気は不透明なので真空にしないと光を飛ばせないのでこう呼ばれる)なので、分厚い大気の下にある地上で見ることはできないはずだ。おかしいなと思って調べると、Solar Dynamics Observatory (SDO) で観測したとある。SDOとは、2010年2月11日に打ち上げられた人工衛星天文台。これなら観測できる。
次に思ったのは、このプロミネンスの噴火は実際この速度で起きているはずはないだろうという疑問。太陽の直径に地球は109個並ぶ。光速度は1秒に地球7周り半。それを考えると、まあリアルタイム動画と仮定しても光速度を越していないかもしれないが、ほとんど光速度だ。それはあり得ない。
さてこの情報が結構見つけにくくて、「よくある質問」のところかなと思って開くと、30個近くある質問の最初が
「Is the world going to end in 2012?」
とある。残りの質問も推して知るべしだが、一応見たところ、やはり無い。それでもなんとかあちこち探すと、あった。これは4時間の動画を縮めたものだそうだ。
それでも嵐なんてものじゃない。そこにいたら地獄だ。以前太陽の至近距離を通過する彗星の動画があったが、それにちょうど巨大噴火が吹き付けたら面白いだろうな。地球の大きさと比較したければ
こちらの静止画をどうぞ。
ま、これを見ると、地球上で起きていることなど宇宙から見たらごく一部のまたごく一部のことというわけだ。そう思えば少々のことでくよくよする必要はないだろう。
[2012年4月24日 記]
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