世の中に sin ( 3 cm ) とか exp ( 5 kg ) などというものはありません。必ず sin ( kx ) とか exp (−γt ) というように、逆の次元を持つ量とペアになって無名数にしてから sin や exp をかけます。x が長さなら k は波数、t が時間ならγは減衰定数などです。一般に関数 y = f (x) が線形でなければ f (x) は x の高次項を含むので x は無名数でなければなりません。ベキ展開や摂動展開の微小量も無名数でなければなりません。こんなことを言えば「なにを当たり前のことを」という声が聞こえてきそうですね。
それでは、たとえば
y = ( d/dt ) log [ x ( t ) ] (1)
において、x ( t ) は次元を持っていてもよい、と言われたらどうでしょう。
「じゃあ log ( 3 cm ) って何だ? log ( 5 kg ) って何だ?」
と言われるかもしれません。でも (1) 式は OK なんです。この種明かしは簡単なんですが、時間のある人はちょっとご自分で考えてみられてはいかがでしょう。
時間がない人のためには
ここに種明かしをしましょう。