この夏(2005年夏)は強大な台風やハリケーンが大きな被害をもたらした。
台風、ハリケーン、サイクロン、は同じで、場所により呼び名が違うだけ。
強い低気圧に反時計回りに回転しながら暴風が吹き込んでいるものである。
回転しながら吹き込むのはコリオリの力によるもので、
その直観的理解は
サブページを参照。
反時計回りになるのは北半球だからで、南半球では時計回りである。
オセアニア地域で赤道以南に発生し南下するサイクロンがそうだ。
(画像ファイル作成努力をけちっているため次図は余白が大きいが、その下にまだ記事が続く)
さて台風のミニヴァージョンとして、風呂や洗面台の栓を抜くと、排水の最終段階で渦を巻く。
これは北半球では必ず反時計回りになるか?
さっそく実験してみた。すぐできる実験なので皆さんも試されたい。
いや、アルキメデスじゃないけれど、
風呂場というのは物理・化学の宝庫なのである。
それはともかく実験の結果は・・・
ウチの場合、洗面台は必ず反時計回りになる。風呂は必ずしもそうはならず、そのときどきによって違う。
対称性の完璧な洗面台や風呂なら、
コリオリの力によりきちんと反時計回りになると思われる。
洗面台で反時計回りになるのはコリオリの力によるものかもしれないし、
洗面台は全然円対称でないので反時計回りを強制するようなカタチになっているためなのかもしれない。
どちらであるかは判然としない。
第一この洗面台も、最初手で時計回りの撹乱をちょっと起こしてやると、
その後は力強く時計回りに排水するようになる。
つまり、渦ができる初期では、人工的撹乱の力よりコリオリの力はずっと弱いようだ。
それならば、台風を時計回りにしてしまうことはできないだろうか?
最近「人工竜巻」がタバコの煙の分煙などで注目されている。
「人工竜巻発電」なるアイデアもある。
そこで、台風の季節に南の海で熱帯低気圧が発生しそうになったら、
先手を打って時計回りの人工竜巻を発生、そのまま台風になることを願うわけである。
こうすると台風はシュートしながら北上はせず、カーブになり、日本には来ずどこかに行ってくれるかもしれない。
まあ、人工竜巻程度のものが台風の引き金として働くならこの話は現実味があるが、
実際は至難の業だろう。
それより何より、周辺国との友好関係を保つ方が優先されるだろうが。
(これ特許になるかな? ならないだろうな。特許の条件として社会良識にかなうものとあるし。)
[最終稿:2005年10月19日]
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